2025/01/14
日々の調理に塩は欠かせません。近年の健康志向の高まりから、「体にいい塩」はどれだろう?と関心を持つ方も多いのではないでしょうか。スーパーやネットショップにはさまざまな種類の塩が並び、どれを選べばよいのか迷ってしまいますよね。このコラムでは、体にいい塩の条件とは何なのかを掘り下げて考え、わかりやすく解説していきます。
人も動物も、塩を食べないと、生きていくことができません。なぜ、そうなのでしょう?体の中で、塩はどんな働きをしているのか。そこから見ていきましょう。
塩は、体内の血液やリンパ液、また骨の髄にも溶け込んでいて、その濃さはおよそ0.9%。お吸い物がおいしく感じる程度の濃さです。
仮に体重50㎏の人なら、だいたい200gくらいの塩が体の中にあります。
その主な働きは、以下の通りです。
塩は私たちが生きるうえでこれほど大切なものなのです。
このような体内での重要な役割は、塩が体液の中で塩化物イオンとナトリウムイオンの形で溶け込むことで、働いています。
現在販売されている塩には、さまざまな種類がありますね。消費者の皆さんが何となくイメージする種類を分けてみると、大まかに分けて、おそらく下記の3つの分類になるのではないでしょうか。
体の中で塩が行う重要な働きは、上記のどの塩を選んで食べても同じです。
この塩を食べれば健康になる、という塩はありません。
ミネラル豊富な塩なら健康、と考える方が多いですが、これは誤りです。伝統製法の塩などにはミネラルが含まれていますが、塩に入っているミネラルの量は、1日当たり接収すると良いとされている量に比べると、けた違いに少ないのです。まして、私たちが日に摂取する塩分には、しょうゆもあれば味噌もある、ソースやマヨネーズにも入っています。塩として摂取する分に入っているミネラルの量は、到底摂取量云々と言えるものではありません。
食べ物の一つとして塩を捉えたら、体にいい塩は、不純物などの少ない、品質の安全な塩、と言うことになるでしょう。
病院で、体が弱った時にしてもらう点滴は、純度の高い塩が入った塩水です。
しかし、消費者の皆さんが、体にいい塩を思い浮かべるときのイメージは、どんなものでしょうか?
製法が、自然に近く、塩以外の海のミネラルを含んでいる、おいしい塩、ではないでしょうか?
私たちは、なぜこのようなイメージを抱くのでしょう?
塩を直接食べるということはあまりありません。「食」のシーンにおける、塩の本来の役割は、他の食材を食べるための補助です。
調理する素材をおいしく食べるために、塩の味はあるのです。
健康は、バランスの良い食事によって、さまざまな栄養を摂取することで実現します。
高血圧のためには一にも二にも減塩だ、と言われることが多いですが、実は減塩で血圧低下に効果があるのは、食塩感受性の高血圧の方だけです。
直接的に関係ない人の方が多いわけです。
減塩しすぎることで、むしろコレステロール値が上がり、逆効果になる場合もあり、一概に言えないのです。
高血圧には、むしろ食生活の改善が役立ちます。果物、野菜、低脂肪乳製品などの良質たんぱく質、ビタミンやミネラルを多く摂取する食事をすると、血圧が下がる効果があります。
私たち日本人が食べている和食は、理想形と言えるでしょう。
塩の体内での働き、塩の調理での役割から、健康について考えてきました。
以上のことから、体にいい塩とは?の問いに答えるとするならば、本当に健康に良い塩とは、品質が良く、味もよく、他の物の味を上手に引き出すことができる味や結晶をもつ塩、と言うことになるのではないでしょうか?
「あらしお」は世界自然遺産に指定された清浄な海域を原料としており、伝統的な平釜製法で丁寧に作られた塩です。まるみのある味わいで、素材の持ち味を最大限に引き出す「あらしお」の詳細をぜひご覧ください。